空き巣に侵入させない、その理想形は「空き巣にあきらめられる家」になることです。それができればいいのですが、中には空き巣に目をつけられて自宅への侵入を試みる場合があります。
空き巣の侵入を防ぐにはどうすればいいのか。今回は侵入口となる窓やドアの防犯対策をまとめてみます。
空き巣が侵入するのは窓かドア
今回、防犯対策をほどこすべき対象を『窓』と『ドア』に絞っています。これには明確な理由があります。それは空き巣が侵入口として選ぶのは基本的には窓かドアだからです。
ですから防犯対策をすべき場所は窓かドアに絞れるのです。
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窓とドアでも侵入されやすい場所には傾向がある
たとえばみなさんが空き巣の気持ちになって考えてみましょう。みなさんが空き巣ならどの窓かドアから侵入しようとしますか。
警察庁が発表している侵入犯罪のデータによるとこんな感じになっています。
これをみると一戸建てで発生した侵入窃盗では窓が56.5%で半数以上を占めてるけど、表出入り口は17.8%、勝手口などのその他出入り口と合わせても全体の1/3ほどしかありません。
けんパパのいうように、実は窓にも狙われやすい窓と狙われにくい窓があります。わかりやすい例でいうと、1階の窓と2階の窓なら1階の窓から侵入する確率の方が圧倒的に高いのです。
また表通りに面した目立つ場所にある窓よりも、裏手(表通りからは見えないところ)にある洗面所や浴室、トイレの窓から侵入されることの方が多いです。
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窓とドアの防犯対策で一番大事なこと
窓やドアの防犯対策を語る上で、どうしても知っておいた欲しいことがあります。それは空き巣がドアや窓から侵入するときの手口として一番多いのは無締り(無施錠)だということです。
それを裏付けるデータもあります。警察庁が発表している統計では、侵入窃盗犯の一戸建ての侵入手口はこのようになっています。
これを見ると無締りが46.5%となっていて半数近くを占めています。一方、ガラス破りは36.6%、ドア錠破りに至っては3.1%しかありません。
逆にいうとしっかり施錠さえしていれば、半数近くの侵入窃盗は防げた可能性があるわけです。
たとえば、よくあるケースとしてはゴミ出しをするときですね。近くにあるゴミステーションまでに行くくらいなので、ついつい玄関の鍵をかけずに出てしまう人は多いです。他にも近所の人と立ち話をするときや幼稚園バスに子どもを送り迎えするときなんかもそうです。
あと近所のスーパーに行くときに、玄関ドアや勝手口、リビングの掃き出し窓の鍵はかけるのに、小さい窓は開けっ放しにして出かける人もいます。
「ちょっとそこまで」と、ほんの数分家を空けている間に空き巣に狙われる可能性があることを忘れてはいけません。
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空き巣が侵入にかける時間は短い
ここまで何度も何度もお伝えしていますが、空き巣はとにかく慎重に行動します。それは侵入にかける時間にも如実に表れています。
財団法人都市防犯研究センターの「侵入盗の実態に関する調査報告書」によると、侵入盗が侵入をあきらめる時間は次のようになっています。
侵入をあきらめる時間 | |
2分以内 | 17.10% |
2分を越え5分以内 | 51.40% |
5分を越え10分以内 | 22.90% |
10分以上 | 8.60% |
出典:(財)都市防犯研究センター「侵入盗の実態に関する調査報告書」 |
注目すべきは5分以内に70%近くの侵入盗が侵入をあきらめてるという事実です。そして10分侵入から耐えられれば90%以上の侵入盗があきらめてくれます。
ということは、私たちがやるべきことは侵入から10分耐えられるようにすることです。
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窓の防犯対策の方法は?重要となる3つのポイント
では実際に窓やドアの防犯対策はどうするべきなのでしょうか。まずは窓の防犯対策から解説していきます。
窓の防犯対策で重要なことは以下の3つです。
[note title=”窓の防犯で絶対需要なポイント”]
- 窓には面格子かシャッターを設置する。
- 窓は割られないように防犯フィルムを貼る。
- 鍵はツーロックが基本。
[/note]
以下、詳しく解説していきます。
窓には面格子かシャッターを設置する
窓には必ず面格子かシャッターを設置しましょう。特に1階の窓には必須です。
実は面格子の防犯能力はそれほど高くありません。プロの空き巣がその気になれば5分もあれば外せます。
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じゃあ面格子は必要ないのかといえばそうでもなくて、先ほどお伝えしたように侵入からは10分耐えればいいのですから、時間を稼ぐという意味で効果はあります。
これはシャッターも同じで、シャッターを開けるのも実はそれほど難しくはないのですが、時間は稼げるので効果は期待できます。
窓は割られないように防犯フィルムを貼る
全ての窓に面格子やシャッターを設置できればいいのですが、そうはいかない場合もあります。たとえばおしゃれな出窓には面格子やシャッターをつけられません。(そもそもおしゃれな出窓には面格子やシャッターをつけない)
ですから次にやるべきことは窓ガラスを割られないようにすることです。
空き巣が窓から侵入するとき、窓ガラスを全部破壊しません。だってそんなことをすればすごい音がして、見つかってしまう可能性があるからです。空き巣はこじ破り、焼き破りなど、比較的音がしない方法で窓ガラスを破って鍵をあけます。
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窓の鍵はツーロックが基本
こじ破りや焼き破りで鍵をあけようとしてしたとき、ワンロックだとこの時点で窓は開けられてしまいますが、ツーロックにするともうひとつ鍵をあけなくては窓を開くことはできません。
最近の窓のサッシには上下のどちらかに補助錠が設置されていると思いますが、外出時には補助錠も必ずセットするようにしてください。
もし古い窓でサッシに補助錠がなければ、別途取り付けられる補助錠を設置しましょう。
ツーロックもこれで絶対侵入されないというわけではありませんが、時間は稼げるので必ずやってください。
業界大手のアルソックから窓に設置する補助錠が発売されていて、それだと補助錠として使えるのはもちろん、アルソックのシールとしても利用できるから一石二鳥です。
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ドアの防犯対策の方法は?重要な3つのポイントは?
次はドアの防犯対策です。窓と同じく3つのポイントをご紹介します。
- ドアの鍵はツーロック+αが基本。
- 鍵は防犯性能の高いものにする
- 防犯アイテムは積極的に使用する
以下、詳しく解説していきます。
ドアの鍵はツーロック+αが基本
先ほど窓では「ツーロックが基本」とお伝えしましたが、ドアでは「ツーロック+α」が基本となります。
新しい一戸建てやマンションのドアの鍵をみればわかりますが、必ず上下にふたつあります。ひとの場合は、一箇所解錠されたら終わりですが、上下にふたつ鍵があれb解錠する時間が単純に2倍必要になります。(※合鍵で侵入する場合を除く)
ですから、玄関でも勝手口でもまずは鍵がふたつあるものにしましょう。その上で補助錠やチェーンがあれば+αとなり、ツーロック+αとなるのです。
勝手口は表通りからは死角になる裏手にあることも多いので、ドアで防犯対策をするならまずは勝手口を見直しましょう。
鍵は防犯性能の高いものにする
これは言葉とおりなのですが、何となく想像できるかもしれませんが、鍵にも精巧なものから簡素なものまでいろいろな種類があります。
たとえばこちらをご覧ください。
左はディンプルキーといわれる最近よく見る鍵です。ボコボコ凹みがあるやつですね。右はいわゆるギザキーと呼ばれる昔からよくある鍵です。
だいたい想像がつくかもしれませんが、このふたつだとディンプルキーの方が複製が難しく、ピッキングもされにくいです。
ディンプルキーよりも指紋認証やカード式の方が巧妙なのですがちょっと高いのが難点です。
防犯アイテムは積極的に使用する
最後はドアで使える防犯アイテムです。
玄関ドアの鍵の近くに郵便入れから手や棒をつっこんでサムターン(内側のつまみ)を回す手口があります。あと鍵の近くのガラスを割って手を突っ込んでサムターンを回すパターンもあります。
サムターンを回されると簡単に解錠するので、なんとかこれを防止する、すなわちサムターンに手や棒がとどかないようにしないといけません。
そんなときに役立つのがサムターン回し防止グッズです。
構造はとても単純で「ほんまにこれで大丈夫?」と疑いたくなりますが、とにかくサムターンに触れさせなければいいので、こちらをサムターンの周囲に外れないように設置しておけばOkです。
あと防犯プレートはこんなやつですね。
玄関ドアのフレームに取り付けて、バールのこじ開けにくくするやつです。まあ空き巣にここまでさせることは稀だと思いますが。
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空き巣の侵入を防ぐには?窓とドアの防犯対策・まとめ
空き巣を侵入させないための窓とドアの防犯対策についてお伝えしてきました。
最後にまとめます。
- 空き巣の侵入を想定すると特に窓の防犯対策が重要
- 無締りをなくせば空き巣の半数近くは防げる可能性も
- 10分侵入させなければほとんどの侵入は防げる
- 窓は面格子かシャッター、ツーロックが基本
- ドアはツーロック+αが基本で、鍵は性能の高いものを選択
空き巣に侵入させないために窓やドアにでき対策はたくさんあります。みなさんの家でもできることから始めてみましょう。